#1 「MOTUL AUTECH GT-R」、
9位入賞でランキングトップを堅守
#1「MOTUL AUTECH GT-R」、
渾身のアタック中にクラッシュ
第3 戦オートポリス大会が中止となり、約2 か月半ぶりの公式戦となった第4 戦SUGO。
開幕から2 連勝している#1 MOTUL AUTECH GT-R は、80 ㎏のウェイトを搭載して、アップダウンや高速コーナーがマシンに厳しいSUGOに臨むこととなった。
フリー走行では、このウェイトが大きく影響し13 番手タイムという結果だったが、トップとのタイム差は約0.6 秒。1 秒以内に14 台のマシンがひしめき、これまでよりも激しい予選になることが予想された。
午後2 時50 分、Q1 がスタート。Q1 を担当するロニー・クインタレッリは、残り時間6 分半まで待ってコースへ向かい、ウォームアップの1 周を経てアタックに臨んだ。
計測2 周目に1 分18 秒515 を記録すると、連続アタックでさらにタイムを短縮していったが、SP コーナーで挙動を乱しコースオフ、クラッシュを喫した。
クインタレッリはクラッシュ後すぐにマシンを降り、無事な様子を見せたが、このアクシデントによりセッションは赤旗中断。#1 GT-R は予選タイム抹消となり、翌日の決勝はGT500 クラス15 番手からのスタートとなった。
■NISMO鈴木豊監督のコメント
「ロニーのアタックは、フリー走行でのラップよりも速いタイムが出ていました。ウェイトを積んでいることを考えてもいいタイムだったので、頑張りすぎてしまったのでしょう。一生懸命走った結果なので仕方ありません。気持ちを切り替えてクルマを直し、明日は一つずつ前を目指して頑張ります。」
【予選結果】
【決勝レース】ハンディウェイトに負けず2ポイント獲得
予選中にクラッシュを喫した#1 GT-Rは、クラス15番手からのスタートとなった。夜遅くまでメカニックがマシンを修復。決勝日の朝に行われるフリー走行では8番手タイムを記録し、後方グリッドからの追い上げとなるレースに備えた。
レーススタート直前には霧雨も舞い、路面はセミウェットコンディションとなっていた。
前日の予選結果により、15番グリッドからのスタートが予定されていた#1 GT-Rだが、スタート直前の他車のトラブルにより実質14番手からのスタート。
スタートドライバーの松田は、序盤から各所で起きるアクシデントをすり抜けながら、9周目には10番手までポジションを上げた。
80㎏というウェイトを搭載しながらも前のマシンに接近する好ペースを見せ、さらに7番手にまで浮上。
26周目にセーフティカーが導入されると、リスタート後には5番手まで順位を上げ、レースのほぼ折り返し地点となる40周目にピットに入り、ドライバー交代を行った。
松田からステアリングを託されたクインタレッリは、12番手でレースに復帰。
ポイントランキングで争っている#37 RC Fと激しい争いを繰り広げた。
周回遅れを処理するタイミングで離れることはあったが、2台は1秒を切る差で何周にもわたり接戦が続いていた。
しかし、GT500クラスの先頭車両が76周目に突入したところで、GT300クラスの車両が最終コーナーでクラッシュ。
レースは赤旗中断から終了となり、#1 GT-Rは9位で貴重な2ポイント獲得を果たした。
■NISMO鈴木豊監督のコメント
「実は前半の松田のスティントから、車両にトラブルの兆候が出ていました。そんな中で2人のドライバーがクルマをいたわりながら走り、後半ではロニーが前を走る37号車に対し果敢に攻めて、互角以上の走りをしてくれました。最後までクルマをもたせてくれた結果、2ポイントを獲れたことは大きい。今回の目的はしっかりと達成できたと思います。タイヤに関しても、これまでテストしてきた成果が出せましたし、この後の富士・鈴鹿につながるいいレースができたのではと思っています。応援ありがとうございました。」
■#1ドライバー ロニー・クインタレッリ選手のコメント
「マシンはいつ壊れてもおかしくない状況でしたが、幸運もあり、最後まで走り切ってポイントも獲れたのは嬉しいです。
37号車とのバトルに関しては、ランキングも1位と2位で僕たちはウェイトの重さも近いし、気持ちとしては絶対に前に出たかったです。
しかし、安全に抜くチャンスはなかったし、まずは完走しなければと思っていたので、それを達成できたことは良かったです。
ウェイトがタイヤやマシンにかける負担や、周りとのウェイトの差を考えると、個人的にはこのSUGOが一番厳しいレースだと思っていました。
次の富士は他にも重いマシンが出てくるので、今回よりは少しは楽な気持で臨めそうです。」
■#1ドライバー 松田次生選手のコメント
「やはりウェイトハンディの影響は大きく、周回遅れに引っ掛かったり、後ろから詰められたり、苦しい場面もありましたが、それでも一時は5位までポジションを上げることができました。
レースの半分までスティントを引っ張ることができて、ロニーも走り切ってくれて2ポイントが獲れたのは今後に生きてくると思います。
これまでの僕たちはシーズン後半に追い上げていくパターンが多く、前半で2連勝するとこんなに苦しいとは思いませんでした。
3戦を終えて、ランキング上位は似たような重さになってくるので、この先はそういった周囲よりも前を走れるように、頑張っていきたいと思います。」
RESULT (81 Laps)