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2016 AUTOBACS SUPER GT Round6
「45th International SUZUKA 
1000km RACE」REPORT

■ 2016 SUPER GT 第6戦 参加に際して

第5 戦富士大会で、2 位走行中に起こってしまったトラブルにより、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は大クラッシュを帰してのリタイヤ、2 戦連続のノーポイントで終わった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の第6 戦富士大会で搭載するハンディウエイトは第4 戦から変わらずの30kg で挑む事となった。


この鈴鹿1000km の主だった特別ルールとして、「ドライバー交代を伴う5 回以上のピットインの義務付け」となり、戦略としてはおそらく全車が5 回のピットで戦う事が予想される。そして、レース距離が750km 以上となる今大会与えられるポイントは1 位25pt~と特別ポイントが用意されていた。

 

前戦で車両側のトラブルが原因となり大クラッシュを引き起こしてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の損傷は激しく、この短い期間での修復、そして鈴鹿1000km というシリーズ最長のレース準備にはとても厳しいものがあった。


しかし、多くの方々の協力を得ながらなんとかイベントに間に合わせる事が出来、そしてトラブルの再発を防止するべく、修復と共に車両細部にまで再チェックを施し鈴鹿へと持ち込まれた。クラッシュに見舞われたドライバー千代は入院や治療が必要なほどではないものの、精密検査の結果で胸椎に軽度の損傷が見られ、シリーズ最長となる1000km というレースという事でチームは急遽第3 ドライバーに高星明誠(たかぼし みつのり)を登録する事に。


しかし、鈴鹿大会の搬入前日の8 月25 日の最終診断にて、千代の完治にはもう少し時間が必要との診断結果が下された。この結果を受け、チーム、そして日産陣営として千代の体を優先する事に決定、第6戦鈴鹿大会の千代の参加を取り消す事とした。

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のドライバーが本山、高星の2 名で決定となったのは鈴鹿大会の搬入日の8 月26 日で、高星は昨年度GT300 クラスにシリーズ参戦した経歴はあるものの、GT500 はこの鈴鹿大会が初ドライブとなる。シート合わせ、操作類のレクチャー、ドライバー交代の練習、などが急ピッチに金曜日中に行われ、チームも夜遅くまで準備に取り組んだ。

 

富士で起こった悪夢を再発させない為に取り組んできた日々、デビューとなる高星のチームによる最大のバックアップ、そして欠場となってしまった千代の為にもチームスタッフ全員でしっかりレースを戦い、この悪い流れを断ち切ってThai大会に進む事のできるリザルトを残そうとチーム一丸となって鈴鹿大会に挑んだ。

■8 月27 日(土)公式練習 9:20-10:45(混走)10:55-11:05(GT500) 入場者数:26,500 人
天候:曇り コース:ドライ 気温:29℃ 路温:33℃

台風が日本に接近している中、鈴鹿サーキットは辛うじて雨は降っていないものの、一面雲に覆われた曇り空、いつ雨が降ってもおかしくない空模様であった。風があり、体感は涼しく感じながらも、気温は29℃、しかし、太陽が出ていないせいで路温は33℃と低めであった。

 

9 時20分から開始となった公式練習の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のドライバーは、GT500 初ドライブとなる高星から。コースをゆっくりと1 周すると、ピットに戻りまずは車両のチェックが行われた。そして問題がない事が確認されると、高星は再びコースイン、手探り状態ながら計測に入った。

 

まずは1 分51 秒157 の10 番手タイムを出すと、ピットに戻りドライバーは本山に交代、コースに出た本山はすぐに1 分49 秒495 の3 番手タイムをマークすると、そこからマシンセッティングをアジャストし再びタイム計測、1 分49 秒215 にまでタイムアップすると残り15 分間を高星の完熟走行にあてた。


高星も混走の混雑した中ながら、1 分50 秒365 にまでタイムを上げたところで混走の時間帯の終了をむかえた。10 時55 分からのGT500 専有時間帯の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のドライバーは高星。初ドライブの高星にはこの後控えている予選に向けての練習がこのGT500 専有時間帯で行われた。

 

時間と共にコースインした高星は、New タイヤへの熱の入れ方、何ラップ目がピークなのかをここで探っていた。そして計測3 周目にアタック開始、タイムは1 分48 秒322 とこの日のベストタイムをマーク、そして続けて計測4 周目もアタックを続けるも1 分48 秒820 とタイム更新はならず、公式練習の終了となった。

公式練習の結果は、混走の早い時間帯に1 分47 秒910 をマークした#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT をその後上回る車両は現れずに終始トップという結果に。2 番手には#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT で1 分48 秒071、3 番手には#19 WedsSports ADVAN RC Fで1 分48 秒208 という結果となった。この朝初ドライブとなった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R 高星の1 分48 秒322 というタイムは4 番手、まずまずの手ごたえを掴んだ。

■8 月27 日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・14:50-15:05(Q1)
  天候:曇り コース:ドライ 気温:33℃ 路温:44℃

GT500 全車によるQ1 での#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のアタッカーは高星。本来であればこのQ1 を本山で無難に通過して高星の出来高での順位を狙うというのが妥当であろう。


しかし、チームは朝の公式練習の走りを見て、不慣れでありながらも高星でQ1 通過出来ると信じ、Q2 を本山で勝負する作戦を立てた。Q1 開始となっても、ほとんどの車両がピットで待機するも約6 分が経過したところでまずコースに出て行ったのがルーキー#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星であった。各車が動き出したのはこの約2 分後。

 

高星は入念にタイヤ、ブレーキに熱を入れながら計測3 周目にアタックを開始。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星のタイムは1 分48 秒163 で、他車はまだアタックをしていない為にまずはこの時点のトップ。そして続けて計測4 周目もアタックをかけるもタイムは1分48 秒280 とベスト更新ならず。ここでピットに戻ることとなった。

Q1 の結果は、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT が1 分47 秒638 でQ1 をトップ通過、2 番手は#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、3 番手に#19 WedsSports ADVAN RC F という結果に。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星は1 分48 秒163 でなんとか7 番手に踏みとどまりQ2 進出を決定。現在ランキングトップの#1 MOTUL AUTECH GT-R は100kg のウエイトのせいか12 番手でQ1 敗退となり、GT-R が3 台、NSX CONCEPT-GTが3 台、RC F が2 台の計8 台がQ2 進出を決定した。

■8 月27 日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・15:35-15:47(Q2)
  天候:曇り コース:ドライ 気温:33℃ 路温:43℃

15 時35 分から12 分間で行われるQ2 での#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のアタッカーは本山。

 

ポールポジションを賭けての戦いは開始から約5 分が経過した辺りで、まずは#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R が動き出すと、続けて#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山もコースイン、そして各車が続けてコースインして開始となった。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、タイヤを温めながら間合いを取って計測2 周目にアタックを開始、タイムは昨年樹立された1 分47 秒630 のコースレコードを上回る1 分47 秒587 であった。しかし本山は続けて計測3 周目もアタック、タイムは1 分47 秒780 とタイム更新ならずにチェッカーが出されQ2 の終了となった。

2016 SUPER GT Rd6 “45TH International SUZUKA 1000km の予選結果は、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R が1 分47 秒587 のコースレコードタイムを出した直後に#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT が1 分47 秒456 と、更にコースレコードタイムを更新してチーム初となるポールポジションを獲得、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は僅差でおしくも2番手に、前戦で優勝を果たした#12 カルソニックIMPUL GT-R が1 分47 秒922 で3 番手という結果となった。

■ 8 月28 日(日)決勝 12:30- 173LAPS 入場者数:34,000 人
  天候:曇り時々雨 コース:ドライ/ウエット 気温:27℃ 路温:28℃

シーズン最長となる1000km レースということで、通常行われる決勝日朝のフリー走行はなく、代わりにレース前に行われる8 分間のウオームアップ走行の時間帯が20 分間へと変更になって行われた。

 

この20 分間のウオームアップ走行前から雨が降り始め、路面はウエットコンディションに。走行が始まる頃から小雨へと変化し、全車がグリッドに着く頃には雨は止んでいた。しかし、コースコンディションはまだまだ乾いてはいない状況であった。

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のスタートドライバーは本山。グリッドへはレインタイヤで向かったものの、この後のコースコンディションの変化がドライになるのかウエットになるのか悩ましいところである。グリッド上での作業が禁止となる12 時25 分、チームが選択したタイヤはドライタイヤであった。

 

GT500 車両15 台は全車ドライタイヤを選択して12 時30 分からパトカー先導によるパレードラップが行われ、1 周回した後にフォーメーションラップに入り、ストレート上のシグナルがレッドからグリーンに変わった瞬間、長い1000km レースのスタートとなった。

2 番手からスタートを切った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、早くも3 番手以降を約2 秒引き離し、トップを攻め立てる。そして7周目あたりから周回遅れのGT300 車両が絡み始めると、トップ争いの2 台、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT と#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の差は一気に0.5 秒にまで縮まり、本山はチャンスを伺っていた。

しかし、この頃からタイヤのグリップダウンを感じ始めていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は無理をせずに2 番手をキープしていたが15 周目、後方から#38 ZENT CERUMO RC F と#12 カルソニックIMPUL GT-R の2 台に接近されると、抵抗もむなしくポジションを4 番手に下げてしまった。

悪化する一方のタイヤのグリップダウンに悩まされる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山はチームに無線でレースプランの見直しを要求、そしてそれを受けたチームは予定よりもかなり早いが16 周目に急遽ピットに戻した。燃料は満タン、タイヤ4本交換、そしてドライバーは高星へと交代され素早くコースに戻った。

コースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の順位はまだ他車がピット作業を済ませていないためもあり14 番手、トップ#15 ドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GT からは1 分30 秒後方でのコースインとなった。しかし、他車より状態のいいタイヤを装着した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの高星は、トップ車両よりも速いラップタイムで走行を重ね、その差は1 分22 秒にまで縮まっていた。

25 周目辺りから上位陣の1 回目のピット作業が始められ、まずは#15 ドラゴ モデューロNSX CONCEPY-GT が25 周目にピットに入ると#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の後ろでコースイン、そして26 周目には#36 au TOM’S RC F、27 周目には#38 ZENT CERUMO RC F と#19 WedsSports ADVAN RC F、29 周目に#12 カルソニックIMPUL GT-R らがそれぞれピット作業を行うも、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の後ろでコースインとなり、全車が1回目のピット作業を終えた30 周目には#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はトップにたっていた。

31 周目、タイヤに熱が入った#38 ZENT CERUMO RC F と#12 カルソニックIMPUL GT-Rがグリップダウンの始まった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R をかわして#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のポジションは3 番手に。

38 周目、グリップダウンに苦しみながらも4番手走行の#19 WedsSports ADVAN RC F からの猛攻を阻止し、3 番手を死守していた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星にチームからタイヤマネージメントしてあと10 周走行するように指示が出る。指示を受けてタイヤマネージメントを行いながら3 番手を死守していた高星であったが、45 周目5 番手を走行していた#36 au TOM’S RC F にかわされ#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は4 番手にポジションダウン。その後、何とかその座を守りながらこのスティント32 周を走りきり48 周目に#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は2 回目のピットに入った。

再び燃料は満タンにされ、タイヤ4 本交換、ドライバーは本山に交代、第1 スティント、第2 スティント共にタイヤのグリップダウンが早くから始まり苦戦を強いられていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はこの第3 スティントから別のレンジのタイヤをチョイス、トップ#38 ZENT CERUMO RC F から2 分7 秒後方の14 番手でコースに戻った。

他車、上位陣の2 回目のピット作業は、#19 WedsSports ADVAN RC F が52 周目にピット作業を行い、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の16 秒後方でコース復帰、#36 au TOM’S RC F が57 周目にピット作業を行い#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の2.5 秒後方に、58 周目に#38 ZENT CERUMO RC F がピット作業を行い、こちらは#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の16 秒前方でコース復帰となった。

 

暫定2 番手を走行していた#12 カルソニックIMPUL GT-R は、59周目にピット作業を行い#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R と並ぶ形でコースイン、しかし、冷えたタイヤの#12 カルソニックIMPUL GT-R との速度差は歴然で#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R が前を行くことに。

実はこの時、#12 カルソニックIMPUL GT-R はピット作業でのオイル補給時にオイルが漏れた事により助手席側から引火、S 字カーブを走行する時点ではかなりの炎が上がり、車両は逆バンク外側に停車、消火活動が行われた。大事には至らず、ドライバーも無事に降車できたが、#12 カルソニックIMPUL GT-R はこれでリタイヤとなった。

60 周目、全車2 回目のピット作業を終え、トップは#38 ZENT CERUMO RC F で2 番手に#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R、この差は約15 秒、しかしながら、トップ#38 ZENT CERUMO RC F はハイペースでこの差を広げにかかる。一方3 番手#36 au TOM’S RC F との差は2 秒から3 秒で変わらず。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のチョイスしたタイヤの状態は良さそうであった。

69 周目、予想もしていなかった事が#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rに起こった。それは、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R に対し黄旗区間での追い越し禁止違反に対しピットストップ10 秒のペナルティが下されたのであった。70 周目にこのペナルティを消化してコースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は4 番手#19 WedsSports ADVAN RC F から4 秒遅れの5 番手であった。

しかし、4 番手#19 WedsSports ADVAN RC F よりも約2 秒速いラップタイムで走行を重ねる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はその差を直ぐに詰め73 周目には4 番手に浮上、12 秒前を行く3 番手の#6 WAKO’S 4CR RC F を追い、この差も1周1 秒ずつ縮めながらの走行を重ねた。79 周目、このスティントを31 周走った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、ピットに戻り3 回目のピット作業を行った。

再び燃料は満タンにされ、タイヤ4 本交換、ドライバーは高星に交代し、トップ#38 ZENT CERUMO RC F から2 分35 秒後方の13 番手でコースに戻った。

 

89 周目、第2 コーナーで起こったクラッシュによりセーフティーカーが導入され、まだ3 回目のピット作業を終えていない車両がいるものの、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の順位は5 番手、このセーフティーカー導入によって#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はトップから7 秒ほど後ろという状況に変わった。

そして92 周目にリスタート、このリスタートと共に1 台ピット作業に入り#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの高星は、トップから5 秒後ろの4 番手に、そして3 番手#6 WAKO’S 4CR RC F とテールトゥノーズ状態でリスタートとなった。何度か仕掛ける高星であったが、この接近した3 番手争いはしばらく続き、99 周目の130R からシケインにかけて#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R が前に出た事で決着がついた。

タイヤの状態も引き続きいい状態で、ラップタイムも安定している#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星は8 秒前を行く2 番手、更に1 秒前を行くトップよりも速いラップタイムを刻み、2 番手との差を約4秒にまで縮めた112 周でピットイン、4 回目のピット作業となった。

燃料満タン給油、タイヤ4 本交換、そしてドライバーは本山に交代されトップから1 分42 秒後方の8 番手でコースに戻った。

2 番手#36 au TOM’S RC F が4回目のピット作業に入ったのは115 周目、トップ#38 ZENT CERUMO RC F が入ったのは116周目、ここでピット作業時間の違いからか、トップは入れ替わり、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、約2 秒前を行く2 番手#38 ZENT CERUMO RC F を追うこととなる。

127 周目、この頃西コース方面から雨が降り出した。

 

これによりトップ争いは接近戦となり、入れ替わりを見せるも、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山にも「この雨は止む、全車ドライタイヤのまま走行を続けている、このまま耐えるように」と指示が飛ぶ。

その指示に応えるように、トップ争いから13 秒ほどのまま離れる事無く、4 番手#6 WAKO’S 4CR RC F との差をグングン広げ、132 周目にはその差を50 秒にまで引き離していた。

やがて雨はメインストレートにまで広がりを見せるも、次第に雨脚は弱まり133 周目頃には路面状況はほぼドライに戻り、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山のラップタイムもトップ争いを演じる2 台より速いラップタイムに戻っていった。

 

142 周目、トップ#38 ZENT CERUMO RC F が5 回目のピット作業を行うと、翌周の143 周目に#36 au TOM’S RC F と#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R が5 回目のピット作業を行った。

 

燃料はチェッカーまでの必要分、タイヤは第1 スティントと同じタイヤをチョイス、ドライバーは高星に交代すると、コースに戻り、残り31 周、これが最終スティントとなる。

この最後のピット作業で給油の時間に差が出たか、トップ#38 ZENT CERUMO RC F から約9 秒遅れて#36 au TOM’S RC F、更に28 秒遅れで#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rという構図となった。

 

このスティントの序盤こそトップを追った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星であったが、やはりまたグリップダウンの兆候を感じ始めた。

これを受けてチームから高星にはとにかくタイヤをマネージメントする事、前は追わず、後ろとのギャップ40 秒を見ながらレースするようにと指示が出された。高星もこれに応え、タイヤにダメージの少ないラップタイムで安定した走行を見せ、残り20 周の時点で後ろとの差は40 秒、残り10 周の時点で25 秒と詰められてはいるものの、確実にチェッカーを目指す走りを見せた。

残り5 周、再び鈴鹿サーキットに雨が降り出した。

タイヤを労わる走行を強いられていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星にとっては、より一層神経を使う走りを求められる事に。

この雨も一時的なもので、すぐに止む予報から#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の高星はドライタイヤのまま踏みとどまり、そして173 周、長かった45TH International SUZUKA 1000km のチェッカーが振られた。

SUPER GT Rd6 45TH International SUZUKA 1000km の結果は、予選8 番手から第2 スティントでトップに立つと、その後は接近戦を見せながらも最後までトップを守りきった#38 ZENT CERUMO RC F が今期初優勝、2 番手には予選11 番手からジワジワと順位を上げ、気が付けばトップ争いをしていた昨年、一昨年の覇者#36 au TOM’S RC F が入った。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は千代の欠場により急遽GT500 デビューとなる高星を起用し、早めのピットイン、ペナルティストップなどがありながらも冷静にリカバリーを繰り返し今期2 度目の表彰台となる3 番手を獲得した。

■2016 SUZUKA GT 1000km RACE GT500 RESULT
■2016 Driver Ranking GT500
■2016 Team Ranking GT500

■本山 哲 選手 コメント


今回代役として初めてGT500 に乗る高星選手に走り出しからなるべく多く走れるようにプログラミングし、千代選手の的確なアドバイスもあって確実にQ2 進出を決めてくれました。Q2でも路面コンディションとタイヤがマッチした状況で、アタック自体もうまくいったのですが、惜しくもポールポジションを逃がすことになってしまいました。長いレース、不安定な天候を考えれば、フロントローからのスタートであればチャンスは充分あると思っていました。

 

しかし、レースではタイヤと路面が合わずに最初からイレギュラーなピットインになってしまいましたが、チーム全員が頑張ってその後うまく立て直すことができ、表彰台に上がることができて良かったと思います。高星選手に的確なアドバイスをしてくれた千代選手の存在も大きかったし、初めてGT500 に乗ったことを考えれば高星選手の出来は100 点でしょう。次戦は千代選手も復活すると思います。万全の体制で優勝を目指しますので応援よろしくお願いします。

■高星 明誠 選手 コメント


今回は沢山の応援ありがとうございました。急遽、千代選手の代役としてGT500 に参戦する事になり、凄く緊張していました。登録をした段階から多くの準備はしてきましたが、レースウイークに初めて乗る車でレースに挑まなければならなかったからです。決して多くはなかった練習走行を有効活用できるように、本山選手、千代選手、そしてチームの皆さんが全力でサポートしてくださり、何とか形になっていきました。

 

予選、決勝共に表彰台を意識できる位置での戦いに僕も興奮していましたし、イレギュラーなピットインやレース中の雨などありましたが、チームの冷静な判断があって3 位を取れたことは素直に嬉しいです。今回急な参戦でしたが、サポートし続けてくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。また、自分としてもこのチームでレースが出来た事で課題も多く見つける事ができ、有意義な週末を過ごす事ができました。タイ戦では千代選手が復帰できると思いますので引き続き46 号車の応援をよろしくお願いします。

■大駅 俊臣 監督 コメント


今回のレース、千代の欠場に関しては苦渋の判断でした。急遽代役となった高星はGT500 初ドライブにもかかわらず素晴らしい仕事をしてくれました。Q1 通過も決勝レースのロングスティントも本当によく頑張ったと思います。もちろん本山、千代の的確で且、細部にわたるサポートがあって成し遂げられた結果だと思います。また、本山のQ2 での走りはポーポジションを狙った素晴らしいアタックだったと思います。

 

決勝レースでは1st スティントこそイレギュラーなピットインがありましたが、その後、変更したレース戦略を二人のドライバーは見事に遂行してくれました。またメカニックたちも最後までノーミスで車を送り出すことが出来ました。チーム の総合力が問われるこの鈴鹿1000km レース で3 位表彰台獲得は今回ドライブできなかった千代も含めたチーム全員で獲得したものです。次戦タイは昨年優勝したサーキット、また千代も完全復活します。後半戦すべてのレースで優勝できるようしっかり準備をしてまいります。今後とも応援の程よろしくお願いいたします。

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