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2016 AUTOBACS SUPER GT Round3&8
「MOTEGI GT GRAND FINAL」 REPORT

■ 2016 SUPER GT 第3 戦、第8 戦 参加に際して

4 月14 日に発生した熊本地震によって中止となってしまったSUPER GT 第3 戦オートポリス大会の代替大会が11 月12 日土曜日に熊本地震復興支援大会として行われる事によって、通常とは変則的なスケジュールが組み込まれた。土曜日に第3 戦の代替大会の予選と決勝、日曜日に第8 戦の予選と決勝と、史上初めて2 日連続開催となり、公式練習が金曜日に行われる。

  

10月8-9日に行われた第7 戦Thai 大会後、長い陸路と長い航路を経て、チームに車両と機材が戻ったのは11 月3 日。その後チームは急ピッチでThai 大会後のメンテナンス、そして茂木2 レース分の準備を進め、11 月9 日にはトラックに積み込まれツインリンクもてぎへと向かった。

最終戦とは言われながらも2 連続レースが行われる事によって、シリーズの行方も最大42pt 獲得する事が出来るこの茂木大会で大きく変動する事が予測される。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の第3 戦で搭載するハンディウエイトは28kg、そして第8 戦はノーハンディウエイトで戦うこの大会にチームはすべてを出し切り、そして最後は笑顔で終われるようにスタッフ全員が時間を惜しまずに茂木大会の準備を整え、希望を持って2016 シリーズの最終戦をむかえた。

■11 月11 日(金)公式練習 9:00-10:00(混走)
天候:雨 コース:ウエット 気温:9℃ 路温:9℃

金曜日に1時間の走行時間が2回GT300と混走で設定された公式練習、その1回目が9時から始められた。あいにく夜明け前から降り出した本降りの雨によって、コースコンディションはヘビーウエット、気温も9℃となっていた。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のドライバーは千代。大粒の雨の中、9 時の開始と共にコースインする#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代であったが、ゆっくりと1 周してピットに戻る。とても走れるコースコンディションではないとの事。もっとも走行している車両も少なく、各車雨脚が弱まるのを待っているようであった。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代も同様で、明日以降雨は止み、気温も上がる予報の中、しかも大切な2 レースが控えている中、ここで無理して走行確認する必要はないというチームの判断もあり、ピットで待機。走行しているコース上の車両もまともにアタック出来ている様子もなく、コースオフしてしまう車両も多く、赤旗も何度か提示されるセッションであった。

 

開始から30 分が経過した頃、雨も弱くなり、コース上の水も少し捌けてきた様子に#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代もコースイン。あくまでも無理のないレベルで走行するように伝えられる中、丁寧にレインタイヤに熱を入れると、1 分59 秒018 のこの時点での2 番手タイムをマークしてピットに戻る。

 

この時点で車両バランスを大きく変更する事は避け、基本的な部分のみチェックがなされると、残り10 分で再度コースインコースコンディションもかなりまともになってきている事からタイムは1 分53 秒202 と大幅にアップ。しかし、ここで再びコースオフ車両が発生、赤旗が提示されると、そのままセッションの終了が告げられた。

 

公式練習の結果は、#1 MOTUL AUTECH GT-R が最終周に記録した1 分52 秒885 でトップ。2 番手には#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R で1 分53 秒202、ミシュランタイヤユーザーの1-2 となった。3 番手には#12 カルソニックIMPUL GT-R で1 分54 秒036 という結果に。GT-Rがトップ3 を占めた結果となったが、しっかりと走行した車両も少ない中でもあり、あまり重要視できない結果とも言える公式練習であった。

■11 月11 日(金)公式練習 13:00-14:40(混走)
  天候:曇り/雨 コース:ウエット 気温:10℃ 路温:12℃

9時から1時間で行われた公式練習1回目は、大半の時間帯がヘビーウエットのコンディションによって走行が出来なかった車両が多数いた事と、走行時の赤旗中断も多かった事から、13 時から行われる公式練習2 回目が40 分延長になり、14 時40 分までの1 時間40 分へと変更になり行われた。

 

天候は辛うじて雨は止んでいたが、コースコンディションは水量こそ少ないが変わらずのウエットコンディション。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は本山から。この時間帯でコースは乾いていくだろうという予想の中、水が残っているうちにウエットタイヤの比較テストが予定として組み込まれた。13 時、このセッションは一斉に各車コースイン、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山も合わせてコースインした。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は、コースコンディションに合わせてタイヤを交換しながら、常にトップタイム、もしくはセカンドタイムで周回を重ねながら、あくまでも無理のないレベルで各タイヤの評価を行っていた。

 

丁度セッションの半分辺りで、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のドライバーを本山から千代に交代。千代も引き続きウエットタイヤの確認を行っていたが、コースコンディションが刻々と変化していき、残り30 分となった辺りではウエットタイヤでは厳しく感じ始めるほどで、他チームではスリックタイヤに交換して走行を始めるチームも見受けられる状況であった。

 

チームとしては翌朝から始められる予選、決勝に向けてこのセッションで少しでもスリックタイヤの確認を行っておきたいところであったが、リスクを背負ってまでスリックで走行させる事を避け、コースコンディションの回復をしばらく待ってからスリックタイヤへと交換する事に。しかし、残り20 分、再び霧雨が振り出し、見えてきていたドライパッチもすべて消えてしまい再びウエットコンディションへと変わってしまった。

 

ウエットタイヤのまま走行を重ねていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代もスリックタイヤでの走行は不可能と判断。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はピットへと戻ると、ここで走行を終了させた。

 

公式練習2 回目の結果は、一瞬路面が乾き始めた時にスリックタイヤのウオームアップが出来ていた#36 au TOM’S RC F が1 分41 秒697 と2番手タイムを大きく引き離してトップ、2 番手には1 分44 秒206 で#12 カルソニックIMPUL GT-R、3 番手には1 分45 秒528 で#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は1 分46 秒681で10 番手となった。1 時間40 分設けられた走行時間ながら、各車30 周前後しか走行できていないほど、なんとも中途半端なコースコンディションに各車不完全燃焼といったところ。もちろんスリックタイヤでの確認も各車できていない中、天候は回復すると予測されている明日からの第3 戦の予選、決勝はぶつけ本番でのスリックタイヤの選択、使用となる。

■11 月12 日(土)第3 戦 公式予選 9:00-9:15(GT500) 入場者数:23,500 人
  天候:晴れ コース:ウエット 気温:11℃ 路温:12℃

第3 戦、第8 戦2 日連続で行われる大会とあって、スケジュールは通常とは異なり、それぞれの朝に公式予選、そして午後に250km レースの決勝が組み込まれていた。その中で、公式予選もノックアウト方式ではなく、15 分間の1 回のみで、1 人のドライバーによって争われ、この第3 戦でアタックしたドライバーは翌日行われる第8 戦の公式予選では走行できない事と定められていた。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の第3 戦公式予選アタックドライバーは千代、ハンディウエイトは28kg 搭載の状態、天候は太陽が時折顔を覗かせる晴れではあるが、コースコンディションは昨日の雨が残りウエット、気温も未だ11 度と低い状況であった。

 

先に行われたGT300 クラスの公式予選ではスリックタイヤを装着してウオームアップを試みた車両も数台見受けられていたが、その車両達もウオームアップできないまま結局はウエットタイヤに交換してのアタックとなっていた。その状況から#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代もウエットタイヤを装着して9 時の開始と共にコースインした。

 

しかし、与えられた15 分の中で、周回できるのは7 周ほど、タイヤのウオームアップに費やす周回も考慮すると、違うウエットタイヤに交換するにせよ、スリックタイヤに交換するにせよ、いずれにしても早急な判断が求められ、その多くはコースインした千代に委ねられた。コース状況を確認している#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代からは、満遍なくコースは濡れていて、15 分間でスリックでのアタック状態にはならない、しかし、少しずつ乾き方向に変化していくだろうという状況で、違うウエットタイヤでウオームアップに数周使いたい、とのリクエストが入り、チームはすぐさまタイヤを準備、ピット前でレースさながらのタイヤ交換を行い、コースへと戻した。

 

残り時間は11 分、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代はウオームアップに4 周を費やし、計測5 周目からアタックを開始、まずは1 分47 秒908 をマークすると、残り約3 分、刻々と変化していく路面状況に各車めまぐるしくタイムを塗り替えていく中、千代は1 分46 秒498 でこの時点で4 番手タイムをマークして最終アタックへと入った。

 

セクター1 で全体ベストをマークすると、その後も上手くまとめセクター3 までは自己ベストを0.3 秒以上上回るアタックを見せていた。しかし、バックストレートエンドで痛恨のコースオフ。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代のアタックはここで終了となった。

 

2016 SUPER GT Rd3 MOTEGI GT 250km RACE の予選結果は、#39 DENSO KOBELCO SARD RC F がハンディウエイト45kg を搭載しながらも1 分45 秒885 で今期初ポールポジションを獲得、2 番手には、1 分45 秒950 で#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、3番手には1 分45 秒994 で、#36 au TOM’S RC F、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は1 分46 秒498 で6 番手という結果に、最終アタックがベストラップであった事が間違いないことからバックストレートエンドでのコースオフは悔やまれる結果となった。

■ 2016 SUPER GT Rd3 MOTEGI GT 250km RACE 決勝 13:10- 53LAP
  天候:晴れ コース:ドライ 気温:18℃ 路温:24℃

朝に行われた予選ではウエットコンディションだった路面も、すっかりドライコンディションになってむかえた第3 戦の決勝、6 番手グリッドからスタートする#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のスタートドライバーは千代から。この決勝スタートタイヤは予選前の朝にマーキングされたタイヤを使用しなければならない事から、決勝のグリッドに着く前に15 分間のウオームアップ走行の時間帯があったにせよ、全車ほとんどぶつけ本番状態でレースに挑む事となる。

 

13時10 分、フォーメーションラップが始まり、1 周回したのちにグリーンランプが点灯、第3 戦オートポリス大会の代替戦、MOTEGI GT 250km RACE のスタートがきられた。ポールポジションからスタートした#39 DENSO KOBELCO RC F が1 台飛び出した形になり、2 番手以降は密集した状態で1 コーナーに飛び込む。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代はこの密集状態の1 周目に#19 WedsSport ADVAN RC F にかわされてしまい7 番手にポジションを下げてしまうが、密集状態は変わらない。3 周目、コースの2 箇所でGT300 車両のクラッシュが発生したために早くもセーフティーカーの導入となる。うち1 台は破損がひどく、救出と撤去に少し時間を要し、リスタートとなったのは7 周終了8 周目であった。

7 番手からのリスタートを切った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は、再び密集状態の中ポジションアップを狙うが、#6 WAKO’S 4CR RC F にかわされ8 番手に後退してしまうと、翌9 周目に#12 カルソニックIMPUL GT-R に少々強引にかわされてしまい9 番手にまでポジションを下げてしまう。

 

3 番手以降の密集状態の中では随所でバトルが繰り広げられる中、10 周目、前を行く8 番手、#64 Epson NSX CONCEPT-GT とはテール・トゥ・ノーズでチャンスを伺う#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は12 周目の1 コーナーでインを差して前に出る。

 

しかし、それが見えていなかったのか、#64 Epson NSX CONCEPT-GT にレコードラインを被される形となってしまい、結果#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代と接触、不可抗力ではあるが#64 Epson NSX CONCEPT-GT をコースオフさせてしまう結果となった。その後この影響から後ろを走る#38 ZENT CERUMO RC F にかわされてしまいポジションは変わらずの9 番手でレースは進んだ。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R が選んだタイヤはというと、ベストマッチングと言えるコンディションではなく、千代からはフィーリングもあまり良くないとのコメントが入っていた。ラップタイムと周りの状況を見ながら、チームは早めに違うタイヤに交換して本山のスティントを長くする作戦を考え始めていた。

 

GT500 クラスで、ピットが動き出したのは19 周目、前を走行する#38 ZENT CERUMO RC F がまずピットに入ると、翌20 周目には2 番手を走行中の#36 au TOM’S RC F、21 周目にはトップの#39 DENSO KOBELCO SARD RC F と2.5 秒前を走行していた#12カルソニックIMPUL GT-R もピットに入る。

 

これを見て#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R も翌22 周目にピットに入れることを決断、千代にもこれは伝えられ、ピットも準備を整えた。戻ってきた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はタイヤを4 本交換、給油、そしてドライバーは本山へと交代し、コースイン。#12 カルソニックIMPUL GT-R の1.7 秒後ろの9 番手でコース復帰となった。

29 周目、前が入れ代わり、ペースが落ちてきている#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT と1 秒以内での争いを繰り広げる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山であったが、34 周目に見事オーバーテイクに成功しポジションは8 番手に。

 

しかし、ここのバトルの間に前7 番手の#12 カルソニックIMPUL GT-R との差は約7 秒にまで広がってしまっていたのだが、安定したラップタイムで走行を重ねる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、GT300 車両を上手く掻き分けながらその差をみるみる縮め、43 周目にはその差は1 秒以内となった。

 

44 周目、その後も果敢に攻め立てる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は、バックストレートエンドのブレーキングでインに入り、前に出たと思われたが、これも#12 カルソニックIMPUL GT-R に見えていなかったのか、アウトから被される形で2 台は接触、そのまま2 台ともスピンをしてしまう結果となった。幸いにしてレースに復帰する事ができた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山であったが、#12 カルソニックIMPUL GT-R との差は再び2.2秒差に広がってしまう。

 

しかしその後も諦めない#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は、再びこの差をすぐさま縮め、50周目にはテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込んだ。懸命にブロックをする#12 カルソニックIMPUL GT-R に対し、そのブロックをなんとかこじ開けたい#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山であったが、53 周目、かわすまでには至らないままチェッカーが振られることとなった。

 

2016 SUPER GT Rd3 MOTEGI GT 250km RACE の結果は、3 番手でレースを進めていた#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R がタイヤ無交換作戦をとって首位に浮上すると、そのまま首位を守りきり今期2 勝目を手にした。

 

これによってヨコハマタイヤユーザーがRd7 Thai 大会に続き2 連勝となった。ポールポジションからスタートを切った#39 DENSO KOBELCO SARD RC F が、終盤トップと0.2 秒差にまで詰め寄るも届かずの2 番手、3 番手には#36 au TOM’S RC F という結果となった。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は接触、スピンなどがありながらも8 番手でチェッカーを受けた。

■2016 MOTEGI GT 250km RACE GT500 RESULT
■2016 Driver Ranking GT500(Rd3 終了時点)
■2016 Team Ranking GT500(Rd3 終了時点)
■11 月13 日(日)第8 戦 公式予選 9:05-9:20(GT500) 入場者数:36,000 人
  天候:晴れ コース:ドライ 気温:13℃ 路温:17℃

快晴でむかえた11 月13 日、SUPER GT 最終戦となる第8 戦のツインリンクもてぎ。午後に行われる第8 戦の予選が9 時5 分から15 分間で行われた。

第8 戦公式予選の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R のアタッカーは本山。ドライコンディションという事で、朝のうちにマーキングされたドライタイヤ1 セットのみの使用が認められ、そのタイヤで第8 戦のスタートを切らなければならない特別ルールとなっていた。搭載されるハンディウエイトは撤回され、GT500 は全車ノーハンディウエイト、開幕戦以来となるガチンコでの戦いとなる。公式予選の開始時間となっても、各車動きがない。

 

残り11 分となったところからゆっくりと動き出す車両があるものの、本格的に動き出したのは残り8 分30 秒となってから、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山も残り8 分30 秒の時点でコースへとむかった。まずはウオームアップに3 周を費やし、4 周目にアタック開始、1 分37 秒884 とこの時点での6 番手タイムをマークすると、続けてアタックに入る。セクター1、セクター2 と自己ベストを更新しながらアタックを行う#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は1 分37 秒483 と、大きく自己ベストタイムを更新すると、タイヤを温存して公式予選を終えた。

 

2016 SUPER GT Rd8 MOTEGI GT GRAND FINAL の予選結果は、昨日の第3 戦で準優勝を飾り、シリーズランキングトップに躍り出た#39 DENSO KOBELCO SARD RC F が1 分36 秒491 でポールポジションを獲得、この時点で更に1pt を追加した。2 番手には#37 KeePer TOM’S RC F で1 分36 秒774、3 番手に#6 WAKO’S 4CR RC F で1 分36 秒999 とTOYOTA RC F 勢が上位を占めた。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R は1 分37 秒483 で8 番手、従来のコースレコードであった1 分38 秒258 を15 台中14 台が更新するというハイレベルな戦いとなった。

■ 2016 SUPER GT Rd8 MOTEGI GT GRAND FINAL 決勝 13:30- 53LAP
天候:晴れ コース:ドライ 気温:22℃ 路温:27℃

いよいよ2016 SUPER GT シリーズの最終戦をむかえたツインリンクもてぎは朝からかわらずの快晴、そして2 日連続のレースと最終決戦に多くのお客様で賑わいを見せていた。昨日のレース結果から、実質シリーズチャンピオンの可能性を絶たれてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R ではあるが、今シーズン未だ未勝利とあって、何とかこの最終戦を有終の美で締めくくりたいところであった。


スタートドライバーは第3 戦同様に千代から。13 時30 分、まずは警察車両を先頭にパレードラップが1 周回行われると、続けてフォーメーションラップへと入る。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は、入念にタイヤ、ブレーキに熱を入れ、シグナルがグリーンに変わった瞬間、SUPER GT Rd8 MOTEGI GT GRAND FINAL のスタートとなった。

 

8 番手からスタートを切った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は、第3 戦同様に密集となりながらもポジションをキープ、トップ3 台が少し間を空け、4 番手から9 番手は密集といった様子、そして少し空いて10 番手以降といったレース展開であった。

 

その中で蓋をされてしまっている状態になってしまっている#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は少しでも早くこの密集から抜けたいところであったが、6 周目、前を走る#38 ZENT CERUMO RC F にアウトから並んで5 コーナーに進入したところ、押し出される形となってしまいそのままグラベルへ、コースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はその影響から#1 MOTUL AUTECH GT-R に先行されてしまい、ポジションを9 番手へと落としてしまう。

12 周目、5 番手を走行していた#19 WedsSport ADVAN RC F が集団の先頭、4 番手#12 カルソニックIMPUL GT-R をかわして集団から抜け出すと、5 番手#12 カルソニックIMPUL GT-R から9 番手#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R までの5 台の集団でレースは進められた。

 

完全にペースを作られてしまっている#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は、ここでタイヤをセーブしながら無理をせずに前をうかがっていた。19 周目、ペースが落ちて苦しんでいた#12 カルソニックIMPUL GT-R がミニマムラップでピットイン。これによって集団の先頭は#36 au TOM’S RC Fにかわり、ペースは少し上がったものの、決して早いタイムというわけではなく集団状態は変わらずで、この#36 au TOM’S RC F は24周目にピットイン、続けて#38 ZENT CERUMO RC F は25 周目にピットイン、これによって集団から#1 MOTUL AUTECH GT-R との2 台での走行へと変わった。

 

前が開けた#1 MOTUL AUTECH GT-R は1 分43 秒台前半のペースで走行を続けるも、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は難なくタイヤをセーブしながら1 秒以内で着いて行く。そして30 周目、#1 MOTUL AUTECH GT-R はピットに戻ると、タイヤ無交換作戦を取り、すぐさまピットアウト。

 

この事は#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代に伝えられ、前が開けたこのタイミングでペースを上げるように指示も出された。単独走行となった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の千代は、指示通り1 分42 秒台から41 秒台とハイペースで周回を重ね、35 周目にピットに呼び戻された。

 

この時チームは千代にタイヤの状況を確認すると、グリップも安定してまだ有り、問題ないとの答え。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R も#1 MOTUL AUTECH GT-R 同様にタイヤ無交換作戦を視野に入れていたのだ。そしてマックスラップでピットに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はジャッキアップもされる事なくすぐさま給油が開始され、その間にドライバーは千代から本山へと交代、給油の間にタイヤを目視して問題なく継続使用可能と判断されると、そのままピットアウト、トップから16 秒遅れの4 番手でコース復帰させる事ができた。

しかし、5 番手#37 KeePer TOM’S RC F がテール・トゥ・ノーズで#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山を攻め立てる。

すでに40 周ほど使用しているタイヤで何とかブロックしながらこのポジションを守りたい本山であったが、一瞬テールがスライドをしてしまった隙に#37 KeePer TOM’S RC F にかわされると、次は#36 au TOM’S RC F に攻め立てられてしまう。

それでも1 分42 秒から43 秒のラップタイムを刻み続ける#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R はこの5 番手のポジションを死守、トップの車両との間隔も縮まるほどのラップタイムであった。

 

しかし、残り5 周となった49 周目、タイヤも限界に近くなったか、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R 本山のラップタイムは44 秒台へと落ち始めると、#36 au TOM’S RC F に先行を許してしまい、6 番手へとポジションダウン。

各車タイヤが厳しくなってきている中、それでもプッシュし続ける#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の本山は最後まで諦めることなくすべての力を出し切り走り続け、53 周のチェッカーを受けた。

 

2016 SUPER GT Rd8 MOTEGI GT GRAND FINAL 決勝の結果は、ポールポジションからスタートを切った#39 DENSO KOBELCO SARD RC F が終盤攻められながらも、一度も首位を譲ることなく今期初優勝をポール・トゥ・ウインで決め、この瞬間、2016 シリーズのドライバーズタイトル、チームタイトルのダブルタイトル獲得も決定となった。

 

終盤トップを攻め立てる場面も見せた#6 WAKO’S 4CR RC F が2 番手、3 番手に#19 WedsSport ADVAN RC F が入り、表彰台を独占、4 番手、5 番手もTOYOTA RC F 勢が占めトップ5 がTOYOTA RC F という結果であった。タイヤ無交換作戦で一時一気に上位に進出した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-RはTOYOTA RC F 勢に続くNISSAN GT-R 勢トップの6 番手となった。

 

#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R の2016 ドライバーズランキングは本山 哲が36pt で10 位、第6 戦を欠場となった千代 勝正が23pt で12 位、第6 戦にスポットで参戦した高星 明誠が13ptで17 位、MOLA のチームランキングは54pt で9 位というシリーズの結果で2016 年度シーズンの終わりとなった。

 

一年間、応援、ご支援頂きありがとうございました。

■2016 MOTEGI GT GRAND FINAL GT500 RESULT
■2016 Driver Ranking GT500
■2016 Team Ranking GT500

■本山 哲 選手 コメント


第3 戦のぶつけ本番でチョイスしたタイヤはレースコンディションに対しては少し柔らかかったようで序盤で遅れをとってしまいましたが、後半で選んだタイヤは路面とマッチしていて、残す最終戦に向けては良い方向に持っていけるのではないかと思っていました。そして最終戦に向けてチョイスしたタイヤは、初めからタイヤ無交換を視野に入れ選択していたため、朝のコンディションとは合っていなかったのですが、その中でもアタックの内容、ポジションには納得のいくものでした。最終戦の後半はフレッシュタイヤで追ってくるレクサス勢に対し、厳しいところはありましたが、前半の展開次第では表彰台の可能性もあったと思います。

 

表彰台に立てなかった事はとても悔しいのですが、このレースに関してはベストなレースが出来たと思います。今シーズンも応援ありがとうございました。来年はもっとチーム全体でパフォーマンスを上げ、結果が出せるシーズンにしたいと思いますので、来期も応援よろしくお願いします。

■千代 勝正 選手 コメント
今回のもてぎ2 連戦は、46 号車にとっては非常にタフなレースウイークとなりました。しかし、厳しい状況下でも最善策を模索し、すべてのラップで限界まで攻めました。日曜日の最終戦ではタイヤ無交換作戦を初めてトライしてGT-R 最上位の6 位で終われた事は、今年の集大成だったと思います。僕も全てを出し切ることが出来たのですが、残念ながら表彰台には届きませんでした。

 

今シーズンは僕自身GT500 クラス参戦初年度という事で、開幕前は不安も沢山ありましたが、チームの皆様と本山選手に沢山フォローしていただき戦う事が出来ました。不運などがあり、今シーズン優勝出来なかった事だけが心残りなのですが、この想いを胸に来シーズンにむけてさらに成長していける様にがんばります。そしてもっと強くなって戻ってきます。1 年間、沢山の応援を頂き本当にありがとうございました。GT500 クラスデビューイヤーを本山選手と共にMOLA で走れて幸せでした。

■大駅 俊臣 監督 コメント


シリーズを締めくくる 2 レースは厳しい状況下ではありましたが、今シーズンを締めくくるベストな戦いができたと思います。特に最終戦となった日曜日の戦いは、惜しくも表彰台には届きませんでしたが戦略を含みドライバー、エンジニア、メカニックすべてが素晴らしい仕事をしてくれたと思います。今シーズンはルーキードライバーの千代を起用し新しいパッケージでの戦いとなりました。シリーズ9 位と悔しい結果となりましたが、千代は期待を上回る速さを見せてくれました。そして本山はエースとしてのパフォーマンスを示してくれました。

 

2016 シーズンも皆様方の多大なるサポートにより私たちは力いっぱい戦うことが出来ました。感謝の気持ちでいっぱいです。心から御礼申し上げます。来年に向けての準備はすでにスタートしています。今年の速さに強さを加え2017 シーズン開幕を迎えたいと思います。今後とも引き続きご声援の程よろしくお願いいたします。

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