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2017 AUTOBACS SUPER GT Round5
「FUJI GT300km RACE」 REPORT

■ 2017 SUPER GT 第5戦 参加に際して

第4戦菅生大会で2位表彰台を獲得した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはシリーズポイントを23ptとし、46kgのハンディウエイトを搭載して第5戦富士大会に臨んだ。前戦から2週間という短いインターバルではあるが、この間に全てのメンテナンスを施し、車両整備を行った。また、夏休み期間中の都心近郊での大会とあり、多くの来場者が見込まれるこの大会に向け、様々な準備が整えられた。第3戦では2位まで約0.5秒と僅差での悔しい4位、第4戦では最後尾スタートから最終ラップではあわや優勝かと思われた悔しい2位と、悔しいながらも良い流れで迎える事が出来ているこの第5戦富士大会の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rにかかる期待はもちろん大きい。そして、ストレートの長いこの富士大会で、シリーズ上位陣は燃料リストリクターを絞られての参加に対し、辛うじて燃料リストリクターを絞られる事なくハンディウエイトの搭載のみで迎える事ができている#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは有利にレースを運ぶ事が出来るのでは?という予測の声が上がる中、チャンピオンシップを考えると、まずはここまでの良い流れを断ち切ることなく、ミスの無いレースをチーム全員で行う事が大切だという意識を高めて、この第5戦富士大会に臨んだ。

 

■8月5日(土)公式練習 8:50-10:15(混走)10:25-10:35(GT500) 入場者数:21,600人

天候:曇り コース:ドライ 気温:25℃ 路温:29℃

この日の天候は曇りながらも暑さを感じ、真夏の3連戦を思わせる富士スピードウエイであった。8時50分から行われた公式練習混走の開始と共にコースインした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのドライバーは本山。1周でピットに戻ると各部入念にチェックされ、マシンに問題ない事が確認されると、再びコースインし、車両の持ち込みバランスの確認へと入った。タイムは1分32秒239。コンディションに対してマシン、タイヤが合っていない模様の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは早々にマシンセッティングを大きめに変更していく。途中赤旗中断などに阻まれてしまい、車両セッティングのアジャストやタイヤの比較など思い通りに進める事が出来ないながらも、おおよそ半分あたりでドライバーを千代に交代し、引き続き中古タイヤでのマシンセッティングのアジャストが続けられ、コースコンディションに合わせ込んで行く。混走の時間帯終了間際では、1分32秒023と中古タイヤながらもここまでのベストタイムを更新してGT500の専有時間帯を迎える事となった。GT500の専有時間帯での#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのドライバーは千代。時間になり、周りの動向を見ながらコースインした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、ゆっくりとタイヤに熱を加えながら、計測3周目にまずは1分30秒568とここまでのベストタイムを大きく更新すると、翌周も続けてアタックを行う。タイムは1分30秒635とわずかにベストタイム更新とはいかなかったものの、ここで公式練習の終了を迎えた。

公式練習の結果は、18kgとハンディウエイトがまだ軽い#19 WedsSport ADVAN LC500がGT500専有時間帯で記録した1分30秒190でトップタイム。2ランクダウンとなる89.8kg/hの燃料リストリクターと40kg(累計74kg)のハンディウエイトを搭載している#37 KeePer TOM’S LC500が1分30秒312で2番手。2ランクダウンとなる89.8kg/hの燃料リストリクターと38kg(累計72kg)のハンディウエイトを搭載している#36 au TOM’S LC500が1分30秒453で3番手に入り、予想とは反してLEXUS LC500勢がトップ3を占めた。最後のGT500専有時間帯で1分30秒568と大きくベストタイムを更新した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは8番手タイムとなっていたが、トップタイムから12番手タイムまでの差は約0.5秒、最下位15番手タイムまでも約0.8秒差と1周4,563mのコースに対し、非常に僅差での戦いになる事が予想された。

 

■8月5日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・14:55-15:10(Q1)

天候:曇り コース:ドライ 気温:27℃ 路温:35℃

雨の心配もされていたが、雲は多いながらも直射日光がない分過ごしやすい天候と言ってもいいかもしれないこの予選開始時刻。それでも気温は27℃にまで上がり、雨が降ることはなく14時55分からGT500全車によるQ1が15分間で行われた。このQ1での#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのアタッカーは千代。朝の公式練習を8番手で終えていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、この予選開始までのインターバルで更に大幅にマシンセッティングを変更し、なんとかコースコンディションにマシンを合わせ込もうとしていた。Q1開始となってからもピットに待機していた各車であったが、約7分が経過したあたりから周りの車両の動きに合わせて#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代もピットアウト。入念にタイヤ、ブレーキに熱を入れながら前後の間合いを測る#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、計測3周目で1分29秒520とこの日の朝記録したベストタイムを大きく更新し、そのまま計測4周目もアタックが続けられた。しかし、惜しくも1分29秒817とタイムを伸ばす事は出来ずに、ここでQ1の終了となった。

Q1の結果は、こちらも公式練習のタイムを大きく上回る#23 MOTUL AUTECH GT-Rが1分29秒423でQ1をトップ通過。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの1分29秒520は惜しくもトップタイムから0.097秒遅れで2番手。3番手に1分29秒534の#37 KeePer TOM’S LC500という結果に。4番手に#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが入り、このQ1では1-2-4をNISSAN GT-Rが占めた。しかし、トップタイムからQ1通過の8番手までの差は僅かに0.352秒であり、非常に接近戦で厳しい予選Q1であった。

 

■8月5日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・15:40-15:52(Q2)

天候:曇り コース:ドライ 気温:27℃ 路温:35℃

 

15時40分からLEXUS LC500の3台、NISSAN GT-Rの3台、Honda NSX-GTの2台の計8台よって行われたポールポジション争い。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-RのQ2アタッカーは本山。Q1でのフィーリングとデーターによる解析から、Q2までの僅かな時間にもマシンセッティングをアジャストし、このQ2へと挑んだ#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R。開始時間になってもQ1同様、各車に動きはなく残り7分になり各車が動きを見せ始めると、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山も周りに合わせる様にしてゆっくりとコースイン。そしてQ1同

様、計測3周目にアタックを開始。タイムは1分30秒777。計測4周目もアタックを続ける本山は、セクター1、2と自己ベストを更新しながらもセクター3でタイムロスしてしまい、タイム更新とはならないままにQ2の時間を終えた。

FUJI GT 300km RACEの予選結果は、#8 ARTA NSX-GTが1分29秒104で前戦に続き2戦連続でのポールポジションを獲得。開幕戦でもポールポジションを獲得している事から5戦中3度目となるポールポジションの獲得となった。Q1でも好調さを見せていた#23 MOTUL AUTECH GT-Rが1分29秒475で2番手。3番手には1分29秒591で#36 au TOM’S LC500が入り、Honda NSX-GT、NISSAN GT-R、LEXUS LC500の3メーカーが1-2-3を分け合う結果となった。1分30秒777とQ1での速さを見せる事が出来ないままに終わってしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、8番手からレースでの巻き返しを狙う。

 

■8月6日(日)決勝レース 15:30- 66LAP 入場者数:33,500人

天候:曇り コース:ドライ 気温:29℃ 路温:36℃

 

朝から雲が多く、雨の心配もされていた富士スピードウエイであったが、事前に行われたサポートレースやエアロバティックスパイロットの室屋義秀選手によるフライトパフォーマンスなどにより場内のお客様はヒートアップ、空模様も時折晴れ間が見えるほどに回復していった。レースに先立ち行われた20分間のフリー走行を終え、グリッドに向かうまでの短い時間までも使い、マシンセッティングに最終アジャストを加えた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのスタートドライバーは千代。昨日の予選で8番グリッドを手にした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはここからの巻き返しを狙っていた。

 

15時25分、静岡県警の車両を先頭にパレードラップが1周回行われ、続いてセーフティーカー先導によるフォーメーションラップが行われた。各車左右に車両をゆすり、タイヤを温めながらホームストレートに戻り、グリーンランプが点灯となった瞬間、SUPER GT 第5戦、FUJI GT 300km RACEのスタートとなった。一瞬スタートで出遅れてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は後続車両に1コーナー手前で並ばれてしまうもまずは8番手を守りきり、レースは進められた。後続は、10番手スタートから一気に8番手の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rに並びかけてきた#12 カルソニック IMPUL GT-Rが9番手に浮上し、富士スピードウエイ特有の長いホームストレートを各車縦一列に並び駆け抜ける。

 

2周目、そんな中6番手の#38 ZENT CERUMO LC500と7番手の#37 KeePer TOM’S LC500がスリップストリームからサイド・バイ・サイドになりながらストレートを駆け抜けると、8番手を走行していた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、前の2台がサイド・バイ・サイドに並んだ後ろでスリップストリームを上手く使い、一気に2台を抜き去りブレーキング勝負で前に出る。しかし、若干インが開いてしまったその隙に2台に再び行く手を阻まれてしまいポジションは変わらずの8番手に戻し、次のチャンスを待った。公式練習時から僅差での争いであった各車は、4番手の#24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rから11番手の#19 WedsSport ADVAN LC500までの8台がテール・トゥ・ノーズの状態から離れる事がない。

 

9周目、GT300車両を掻き分けながら、前を走る#37 KeePer TOM’S LC500の隙をうかがう#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代。後方の車両達も同様に、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rに隙あらば飛び込んでこようとする接近戦が続いていた。そんな中でアクシデントが発生。後ろを走る#12 カルソニックIMPUL GT-Rが勢いあまって#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rと軽く接触し、少し体制を崩してしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、この接触がきっかけで11番手にまでポジションを下げてしまった。それでも、12番手の#1 DENSO KOBELCO SARD LC500との差を少しずつ広げながら、前の車群からは離れずに、チャンスを伺っていた。

 

レースの1/3が消化となる23周目、早くもピット作業を行うチームが出てくる中、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはこの各車接近戦でのレース展開と今後の天候の行方を気にしながら、いつピットに呼び戻すか悩んでいた。チームが出した答えは、まだ1分33秒台で走れる事、路温の変化が始まっている事、天候が崩れる可能性がある事から、なるべく1stスティントを長く、できれば66周の半分以上を走行させる作戦であった。23周目以降に次々とピット作業を行うGT500車両の各車、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代にも、前を走行する各車が次々とピットインして前が空いているタイミングでプッシュして走行するように指示が出される。

 

32周目、最終セクターでコースオフ車両が発生。これによって黄旗が提示されると、この黄旗追い越し禁止区間でのタイムロスを最小限に抑えるように急遽#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代に対しチームからピットに戻るよう指示が出される。そしてピットに戻ると、タイヤ4本交換、給油、ドライバーを本山に交代してすぐにピットアウト。レース66周の丁度半分、GT500車両の中では一番遅いピットインのタイミングであった。

 

コースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は9番手争いを行っていた車群の中に飛び込んだ位置であった。タイヤを交換したばかりでまだ熱の入っていない状況ながら、懸命にポジションを保とうとする#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山であったが、さすがに厳しい状況であった。10番手#19 WedsSport ADVAN LC500の5秒後ろの11番手でレース第2スティントが開始となった。

 

35周目、後ろを走る#16 MOTUL MUGEN NSX-GTにかわされてしまい、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのポジションは12番手に後退。しかし、翌36周目に#16 MOTUL MUGEN NSX-GTがスピンアウトしたことにより、ポジションを11番手に戻す事となる。

 

38周目、今度は後ろを走る#100 RAYBRIG NSX-GTに先行を許してしまい再びポジションを12番手に落としてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R。先行を許した後も何とか食らいついて行き、再び巻き返しのチャンスを伺いたいところであったが、路温が下がったからか、路面状況が変化してきているのか、思うようなタイムで走る事が出来ない様子の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、先行された後もジワジワとその差を広げられてしまう。後続13番手との差はこの時点で約16秒、後ろとの差は十分にあることから、何とか前を見つめて走行を重ねる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山であった。

 

#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rが51周目にマシントラブルにより戦線離脱。これにより#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの順位は11番手に。前を走る10番手は#1 DENSO KOBELCO SARD LC500に変わりその差は約18秒、後ろ#64 Epson Modulo NSX-GTとの差は14秒、なんとか力を振り絞り、前に追いつきたい#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山であったが、無情にも前との差は広がるばかり、後方との差を確認しながら走行を重ねるしかなかった。ポイント圏内まであと1台、しかしその願いは届かぬまま66周のチェッカーを受けた。

 

SUPER GT第5戦“FUJI GT 300km RACE”の結果は、ポールポジションからスタートを切った#8 ARTA NSX-GTが、一度もトップを譲る事無くポール・トゥ・ウインで優勝。Honda NSX-GT勢としても今季初優勝を手にした。2番手からスタートし、途中トップから16秒差にまで遅れをとりながらも、終盤は2秒差にまで詰め寄った#23 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手を獲得。3番手は、6番手スタートから追い上げ、終盤は激しい2番手争いを見せた#38 ZENT CERUMO LC500が入った。8番手からスタートした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、全力で戦いながらも最後まで本来の速さを見せられないまま苦しいレースとなり、ポイント圏外となる11番手でレースを終えた。

■「FUJI GT300㎞ RACE」 GT500 RESULT

■2017 Driver Ranking GT500

■2017 Team Ranking GT500

 

本山 哲 選手 コメント

イベント走り出しからセッティングがうまく決まらず、予選に向けて大幅にセッティングを変更しました。予選Q1では千代選手が頑張った事もあり、良いポジションでQ2に進むことが出来たのですが、そこからさらにセッティングを進めた結果、Q2のアタックで上手くまとめて走る事が出来ずに8番手に沈み、そこからレーススタート直前まで細かい部分でセッティングのアジャストを詰めていったのですが、マシンバランスを改善するには至らず、レースでも全くペースを上げる事が出来ませんでした。菅生大会からの流れを期待して下さった方々に良いレースをお見せ出来なかった事はとても残念です。次戦までの3週間のインターバルで原因を究明して鈴鹿大会には万全の体制で挑みます。シーズン中には良い時もあって、悪い時もあります。悪い時にしぶといレースが出来なかった事は反省点です。次は最後となる鈴鹿1000kmレースですので、最後に相応しいレースをお見せする事を約束します。応援よろしくお願いします。

 

 

千代 勝正 選手 コメント

今回の富士大会は、走り出しからマシンの調整に苦しむ事となりました。チーム全員で試行錯誤しながら何とか良い方向に合わせ込む様に努力したのですが、なかなか歯車の合わない試練の様な週末になってしまいました。そして週末を通して原因を追究する事が出来ないまま悔しい11位でレースを終える結果となってしまいました。

しかし意気消沈している猶予はありません。次戦の鈴鹿1000kmに向けて3週間のインターバルの間にチームと、原因究明と対策をしっかり行い、必ず強くなって戻って来ます。

チャンピオンシップを考えると次の鈴鹿が非常に重要な1戦になります。重要な1戦、そして最後の鈴鹿1000kmで最高の結果を残せるように頑張ります。

富士ではたくさんの応援ありがとうございました。引き続き鈴鹿大会も応援よろしくお願いいたします。

 

 

大駅 俊臣 監督 コメント

Rd4 SUGOで良い流れになったのですが、今回は一転流れの悪いレースウィークとなってしまい残念な結果となってしまいました。予選Q1千代がP2で通過してくれたのですが、その後の微調整が上手く行かずQ2 ではP8 となってしまいました。RACEでも序盤からペースを上げることができないまま ポイント圏外へポジションを落としてしまい最後まで苦しい状況から抜けることができませんでした。しかし、最後までしっかりレースができたことで次戦につながる良いデーターも得ることができました。

次戦Rd6は今年でSGT最後となるSuzuka 1000km RACEです。過去にもTeamとしては優勝、表彰台と幾度となく好成績を収めた大会。Teamの総合力が試されるRACEです。

インターバルでしっかり準備をして万全の態勢でSuzuka 1000kmに挑みたいと思います。

今後とも応援の程よろしくお願いいたします。

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