2017 AUTOBACS SUPER GT Round6
「第46回 インターナショナル SUZUKA 1000km “SUZUKA 1000km THE FINAL”」 REPORT
■ 2017 SUPER GT 第6戦 参加に際して
第5戦富士大会でポイント圏外となる11位で終えた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの搭載ハンディウエイトは変わらずの46kg。苦しいレース展開を強いられてしまった第5戦の問題点を探求、改善して第6戦鈴鹿大会に挑んだ。46年間続けられてきた伝統ある鈴鹿1000kmレースも、この2017 SUPER GT 第6戦をもって終了される事が事前に発表となっていた。MOLAとしても過去の大会では幾度となく好成績を残してきた相性のいいイベントである為に、今大会”SUZUKA 1000km THE FINAL”に対しては、最後の鈴鹿1000kmを優勝で飾りたい、という特別な思いも持っていた。シリーズ最長となる1000kmレースに対しては、レース距離700km以上で設定されている特別ポイントが適応となり、1位に25ptが与えられる事となっている。また特別ルールとして、レース中にドライバー交代を伴う5回のピットインが義務付けとなっている。数々の24時間レースを経験してきた我々 MOLAにとっても得意なロングディスタンス。チャンピオンシップを考えても絶対に落とせないこの大会に対し、何が起こっても全員でリカバリーを行いながらミスの無いレースをチーム全員で行う事が大切だという意識を事前にスタッフ全員で高めて、この第6戦鈴鹿大会に臨んだ。
■8月26日(土)公式練習 9:20-10:45(混走)10:55-11:05(GT500) 入場者数:27,500人
天候:曇り コース:ドライ 気温:23℃ 路温:27℃
真夏の3連戦と呼ばれている大会の3戦目となる鈴鹿大会。真夏を思わせる暑さになるかと思いきや、6時30分頃から降り出した豪雨の影響により、雨はすでに止んではいるものの、風もあり少し涼しささえ感じられる公式練習の開始時刻であった。
9時20分からの公式練習混走時間帯の開始と共に各車一斉にコースインしていく中、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのドライバーは本山。コースコンディションは完全にウエットコンディションであり、各車レインタイヤを装着しての走行となった。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、1周でピットに戻ると各部入念にチェックされ、マシンに問題ない事が確認されると、再びコースインし、ウエットでの車両バランスの確認へと入った。コースコンディションが刻々とドライへと移行していく中、大きな問題がない事が確認されると、ウエットのうちにドライバーを千代に交代して再び確認へと入った。開始から30分が経過した辺りから、コースコンディションはほとんどドライへと変わっていった。10時頃には、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rもドライタイヤを装着し、ドライバーを本山に戻して、いよいよドライでのバランス確認へと入った。所々まだ濡れている箇所はありながらもタイヤが温まると、タイムは1分50秒050とこの時点でのトップタイムをマーク。ピットに戻ると、再びドライバーを千代に交代してバランス確認へと入った。1分50秒084とベストに近いタイムをマークして混走時間帯の終了となった。GT500専有時間帯での#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのドライバーは千代。予選を意識してコースインした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、ゆっくりとタイヤに熱を加えながら、計測1周目にまずは1分51秒562をマークして翌2周目にもアタックを行う。タイムは1分48秒678と大きくベストタイムを更新して公式練習の終了を迎えた。
公式練習の結果は、#100 RAYBRIG NSX-GTが専有時間帯の最終周で記録した1分48秒560でトップ。2番手は、1分48秒677を記録した#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R。1分48秒678の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはトップから0.1秒落ち、2番手からは1000分の1秒落ちという僅差での3番手となった。4番手5番手はHonda NSX-GT勢、6番手には#12 カルソニック IMPUL GT-Rと上位をLEXUS LC500以外が占めるシリーズ前半とは変わった様子に。また、シリーズランキング上位を占めているLEXUS LC500勢は7番手を最上位に10番手、12番手、13番手、14番手、15番手、NISSAN勢唯一ランキング上位に食い込んでいる#23 MOTUL AUTECH GT-Rも11番手とそれぞれ下位に沈む結果となった。
■8月26日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・14:55-15:10(Q1)
天候:曇り コース:ドライ 気温:31℃ 路温:37℃
雨上がりであった様子の公式練習から一転、夏らしい暑さが戻ってきたこの予選開始時刻。気温は31℃にまで上がり、14時55分からGT500全車によるQ1が15分間で行われた。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-RのQ1アタッカーは千代。朝の公式練習を僅差ながら3番手で終えていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、この予選開始までのインターバルで更にタイムアップを目指し、マシンセッティングに微調整を施して予選に挑んだ。Q1開始となってからもピットに待機していた各車であったが、約7分が経過した辺りから周りの車両の動きに合わせて#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代もピットアウト。入念にタイヤ、ブレーキに熱を入れながら前後との間合いを測る#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、計測2周目で1分47秒588と従来のコースレコードまで0.132秒にまで迫るタイムを叩き出してQ1の終了を迎えた。
Q1の結果は、公式練習でも好調さを見せていた#100 RAYBRIG NSX-GTが1分47秒576でQ1をトップ通過。2番手には1分47秒582で#19 WedsSport ADVAN LC500。1分47秒588を記録した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは惜しくもトップタイムから0.012秒遅れ、2番手からは0.006秒遅れという僅差の3番手でQ2進出を決定した。
■8月26日(土)公式予選 ノックアウト方式 ・15:40-15:52(Q2)
天候:曇り コース:ドライ 気温:31℃ 路温:36℃
15時40分からNISSAN GT-Rの3台、Honda NSX-GTの3台、LEXUS LC500の2台、計8台よって行われたポールポジション争い。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-RのQ2アタッカーは本山。開始時刻になってもQ1同様、各車に動きはなく残り7分になり各車が動きを見せ始めると、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は前から4台目に位置取りし、ゆっくりとコースイン。そしてQ1同様、計測2周目にタックを開始した。タイムは1分47秒977。Q1のタイムを上回ることが出来なかった本山は、続けて計測3周目もアタックを続ける。しかし、セクター1で自己ベストを更新しながらもタイム更新とはならないままにQ2の時間を終えた。
“SUZUKA 1000km THE FINAL”の予選結果は、Q1タイムをこのQ2で大きくタイムアップさせた#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rが1分47秒074とコースレコード樹立にてポールポジションを獲得。チームにとってはSUPER GT参戦以来初、NISSAN GT-Rとしても今期初ポールポジション獲得となった。2番手には、こちらもコースレコード樹立となる1分47秒269を記録した#19 WedsSport ADVAN LC500が入り、ヨコハマタイヤ勢が1-2をコースレコードにて独占した形となった。3番手には1分47秒648で#17 KEIHIN NSX-GTが入り、NISSAN GT-R、LEXUS LC500、Honda NSX-GTの3メーカーが1-2-3を分け合う結果となった。1分47秒977とQ1でのタイムを上回る事ができないまま終えてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは5番手に。しかし1000kmという長いレースでの5番手スタートには何も不満はなく、むしろ優勝に手が届く十分なポジションととらえていた。
■8月27日(日)決勝レース 12:30- 173LAP(最大延長18:28) 入場者数:45,000人
天候:晴れ コース:ドライ 気温:30℃ 路温:47℃
いよいよ真夏の祭典SUPER GT 第6戦”SUZUKA 1000km THE FINAL”決勝日を迎える。最後となる鈴鹿1000kmとあって、朝から多くのお客様で賑わいを見せる鈴鹿サーキットの天候は晴れ、日差しもまさに真夏の祭典に相応しい強さであった。昨日の予選を終えてから、シリーズ最長となるこの1000kmレースに向けて夜遅くまでメカニックの手によるメンテナンスが行われ、万全を期してマシンの準備は整えられていた。レースに先立って行われた20分間のウォームアップ走行でも好調さを見せていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのスタートドライバーは千代。昨日の予選で5番グリッドを手にした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはここからの巻き返しを狙っていた。
【第1スティント】
12時30分、三重県警の車両を先頭にパレードラップが1周回行われ、続いてセーフティーカー先導によるフォーメーションラップが行われた。各車左右に車両を揺すり、タイヤを温めながらホームストレートに戻り、グリーンランプが点灯となった瞬間、長き1000km先のゴールを目指してSUPER GT 第6戦”SUZUKA 1000km THE FINAL”のスタートが切られた。まずは5番手をキープしてレースを進める#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、まだ先の長いレースに落ち着きを見せ、しばらくの間、前を走る車両達の動向を窺っていた。ポールポジションからスタートを切った#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rが少し後続を離し、2番手#19 WedsSport ADVAN LC500がその後を追い、2台のヨコハマタイヤ勢がハイペースでレースを引っ張る形となっていた。やや勢いを失ってきたのが3番手を走る#64 Epson Modulo NSX-GTであり、4番手#17 KEIHIN NSX-GTと5番手#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが詰め寄る展開となっていた。逆に6番手#12 カルソニック IMPUL GT-Rは、ジワジワと離れていく様子に見えた。
そんな中、まず動きがあったのが9周目、4番手を走行していた#17 KEIHIN NSX-GTが、1コーナーで3番手の#64 Epson Modulo NSX-GTがGT300車両に詰まったところを見逃さずにオーバーテイク。3番手と4番手の順位が入れ替わると、続けて2番手#19 WedsSport ADVAN LC500のペースが落ち始めた11周目に、スプーンカーブでオーバーテイク。2番手に#17 KEIHIN NSX-GTという順位へと変わった。順位が入れ替わった頃からトップ#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rを含む2台のヨコハマタイヤ勢のタイムが落ち始め、2番手#17 KEIHIN NSX-GTから5番手#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rまでの4台が団子状態となりトップ車両に襲い掛かる形で一気に追いつき、5台でのトップ集団へと変わっていった。
13周目、ラップタイムが落ちてきた#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rを130Rで捕らえた#17 KEIHIN NSX-GTがトップ浮上。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、シケイン入口のブレーキングで#64 Epson Modulo NSX-GTを捕らえ、4番手へと浮上。その後、トップへと浮上した#17 KEIHIN NSX-GTは逃げる形となり、2番手3番手のヨコハマタイヤ勢が後続の#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rと#64 Epson Modulo NSX-GT、そして#12 カルソニックIMPUL GT-Rまでの5台を蓋するように団子状態となってしまった。トップ争いの6台の中で、明らかに勢いが見られるのはトップに立った#17 KEIHIN NSX-GTと4番手に浮上した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代であった。
15周目、ヘアピン入口でインにつけなかった3番手の#19 WedsSport ADVAN LC500を見逃さなかった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、そのインに滑り込む。そして、ヘアピン立ち上がりで加速が鈍った2番手#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rに立ち上がりで並びかける#19 WedsSport ADVAN LC500と#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、その先の200Rにスリーワイドで向かっていく。しかし、200Rへのアプローチで一番アウト側に陣取っていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、2台に外側へ押し出される形となり、ダートへと追いやられてしまう。なんとかコントロールしようとする#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代であったが、そのまま左側面をバリヤへヒットさせてしまい、無常にもリヤウイングがもぎ取られる形になってしまった。
なんとかコースへと復帰する事ができた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代であったが、チームからの無線でリヤウイングが無くなっている現状が伝えられ、ピットに戻るよう指示が出される。そして、変わり果てた姿でピットに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは給油作業のみを行った後ピットボックス内へと一旦入れられると、メカニックによる懸命な修復が行われた。被害は思ったよりも広範囲に広がっており、パーツの交換作業、応急処置を施しながら、この間にドライバーを本山に交代してタイヤ交換も同時に行われた。作業終了後、すぐにピットボックスから出された#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山であったが、作業に費やした時間は実に30分以上、レース16周遅れの状況であった。
【第2スティント】
しかしまだ1000kmレースの序盤、他力本願にはなってしまうが諦める事なくここから再び全力でレースに復帰した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は、どの車両よりも速いラップタイムでの走行を重ね、他のGT500車両達との差を縮める。しかし、無常にも#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは周回遅れであり、実際に速いラップタイムで走行していても現状争っている車両達を無理にかわす事が出来ずに歯がゆい状況が続いてしまった。レースラップの43周目、最終コーナーにGT300車両がクラッシュし、コースを塞ぐ形で停止してしまった為セーフティーカー導入となった。これによりGT500車両が一旦隊列を組む形となり、レース48周目にリスタートとなるも、この状況が、速く走る事の出来る#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山にとっては遅いラップタイムの車両の後ろを走るしかないアンラッキーな状況となってしまった。
【第3スティント】
この状況にチームは、ロスタイムを最小限にするべく本山のスティントを予定よりも短い25周でピットへ呼び戻す事に。そしてタイヤ4本交換、フル給油、ドライバーは再び千代に代わり、第3スティントへと入っていった。この第3スティントでも#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのラップタイムは悪くないが、前のGT500車両に追いつくと無理に前に出る事はできない。前のGT500車両がピットに入り前が開くと、また違うGT500車両に追いつく、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの後ろにGT500車両がつくとブルーフラッグが提示され、故意に譲らなければならないという再び歯がゆい走行スティントとなってしまった。
【第4スティント】
しかし、そんな状況下でも最善の1000kmレースを行う為に作戦を練りながら#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代をピットに呼び戻したのはこのスティントの31周目、レースラップ87周目であった。タイヤ4本交換、そしてフル給油、ドライバーを本山に交代して素早い作業でピットアウト。#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rにとっての第4スティントの開始となった。コースに出た本山は、タイヤに熱が入るとすぐに他車よりも1秒以上速い1分53秒台で走行を重ねる。94周目、130RでGT300車両がクラッシュした事でセーフティーカーの導入となった。ここでレースオペレーションに不備があり、このセーフティーカーランは102周まで続けられた後リスタートとなった。状況は第2スティントに起こった状況と同じでGT500車両の隊列を整えてリスタート。前が開くと追いつき、ピットアウトした車両が後ろに来ると#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rに対しブルーフラッグが提示され、故意に譲らなければならない。セーフティーカーが入るまでは1分53秒台で走行していた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山も1分54秒台から1分55秒台でレースを進めるしかなかった。
【第5スティント】
この頃から路温に変化が大きく見られてきており、チームはこの状況と残りの周回数を計算しながら作戦を組み立て、このスティントも31周まで引っ張り、路温の変化とタイヤのチョイスを検討する事にした。その事は#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山にも伝えられ、レースラップ118周にピットへ呼び戻す事となった。タイヤ4本交換、フル給油、ドライバーを千代に交代してピットアウト。千代での最後のスティントとなる第5スティントの開始となった。路温が下がってきていることから、少しソフトなタイヤに交換してコースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、計測1周目から1分54秒台での走行を見せ、その後は1分53秒台での走行を重ねる。他車よりも速いラップタイムで走行を重ねる#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は当然他車に追いつく、しかし強引に抜くわけにはいかないという、状況に追いやられてしまう。なんとか詰まってしまった前の車両を綺麗にかわす事ができ、前が開けた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代は、すぐさまラップタイムを1分53秒台から52秒台にまで入れる好走を見せた。前のGT500車両との間隔と、残り周回数を見ながら、前が開いている状況でしかも速いラップタイムで走行を重ねる事が出来ている#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代に対し、前に詰まってしまうまで、なるべくこのスティントを長く走らせる作戦が伝えられた。
【第6スティント】
そしてこのスティントの30周目、レースラップの148周目にピットへ呼び戻し、タイヤ4本交換、給油は残り必要量、ドライバーを本山に交代してピットアウト。レースファイナルスティントが始まった。コースに戻った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山は計測1周目からいきなり1分52秒台での走行を重ね、前のGT500車両との間隔がわりと開いている場所で走行できている事もあり、GT300車両によるトラフィックが発生しない限りは好走を重ねる事が出来ていた。レースラップ162周、残り10周となった辺りから43周目と94周目の2度のセーフティーカーが導入となった事で、予定レース周回数を完走する前に最大延長である18時28分を迎える事が明らかになり、残り周回ではなく、残り時間でレースが進められるようになった。その頃、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山はまだ1分53秒台で走行していた。そして迎えた最大延長時間である18時28分、SUPER GT 第6戦、長き1000kmレースのチェッカーを受けると共に、46回に渡り長き伝統となっていた真夏の祭典、鈴鹿1000kmレースに幕が降ろされた。
SUPER GT第6戦“SUZUKA 1000km THE FINAL”の結果は、レース終盤までトップ争いを演じていた#17 KEIHIN NSX-GTが147周目にタイヤバーストからクラッシュを期してしまい戦線離脱。これによって、そこからトップを手にした#64 Epson Modulo NSX-GTが他に譲る事無く優勝。チーム、そしてダンロップタイヤとしてSUPER GTでは実に10年振りの優勝となった。12番手からのスタート、そしてファストレーン優先権違反によってドライブスルーペナルティを受けながらも、長いレースで追い上げを見せた#23 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手を獲得。3番手は、6番手スタートから一時9番手にまで順位を下げながらも終盤に追い上げを見せた#100 RAYBRIG NSX-GTが入った。これにより、今シーズン初めてLEXUS LC500勢のいない表彰台の模様となった。5番手からスタートした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、15周目に受けてしまった大きなアクシデントを出来るだけ取り返すべく、1000kmの残り周回全てをチーム全員によって全力で戦い、最善を尽くしたもののポイント圏外となる14番手でレースを終え、安定した速さを見せる事が出来ていただけに悔しいレースとなってしまった。
シリーズランキングでは、この第6戦で2位18ptを獲得した#23 MOTUL AUTECH GT-Rが一気にトップ浮上。シリーズランキング上位を占めていたLEXUS LC500勢の中で5位6ptを獲得した#37 KeePer TOM’S LC500がトップから11pt差で2位。6位6ptを獲得した#6 WAKO’S 4CR LC500が同じくトップから11pt差で3位と変動した。6戦中4戦をノーポイントとしてしまった#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはトップから36pt差で11位へ後退となってしまった。
■「SUZUKA 1000km THE FINAL」 GT500 RESULT
■2017 Driver Ranking GT500
■2017 Team Ranking GT500
本山 哲 選手 コメント
今回はマシンもタイヤも暑い中での1000kmレースに向け良い状態で準備できました。予選ではアタック自体はまずまずだったものの、路温の変化にタイヤのグリップ変化が少しあった印象でしたが、決勝に向けて良いタイヤを選べていたと思っていましたし、特に今回は優勝したい気持ちがいつも以上に強かったので、まずは良いアベレージで長い距離をしっかり走る。それが出来れば必ずポジションは上がっていくと思っていました。実際決勝でのマシンもタイヤも調子は良く、優勝する手ごたえも自信もあって良い状況の中、序盤のアクシデントで権利を失ってしまったのはとても残念でした。千代選手のわずかなスキを攻める心境もよくわかりますが、長いレースなのでじっくり攻められなかった事は反省点です。それでも修復後はチェッカーまで良いペースで走り続けられた事は次戦に向けて大きな収穫となりました。タイ戦はポール獲得も優勝もした相性の良いサーキットです。気持ちを切り替え、必ず皆様の期待に応えるレースをします。
千代 勝正 選手 コメント
この鈴鹿戦は合同テストの時から手応えがあり、最大のチャンスだと思っていました。あのアクシデントは、後で考えればまだ序盤でしたし、あの場面はもう少し様子を見ても良かったと思っています。自分の一瞬の判断ミスで大きなチャンスを失ってしまい、チームの皆様、応援してくださる全ての皆様に対し申し訳ない気持ちでいっぱいです。コースに戻ってからは、前に追いつけるという状況ではなかったものの、データ収集など今後のために集中して走り続け、トップと遜色ないペースで走れました。今回は富士での不調からうまく改善ができ、週末を通してチームとして強さを見せられたと思います。しかし、失ったものが大きすぎてなかなか気持ちの切り替えは難しいですが、自分自身の意識を変えて、さらに高い集中力と冷静なメンタルを鍛え、次のタイも大きなチャンスだと思いますので、今回のレースの落胆を倍返しできる様にクレーバーなレースをして頑張りたいと思います。
大駅 俊臣 監督 コメント
SGTとしては今回で最後となる Suzuka1000km RACE を優勝で飾れなかったことは残念です。今回はFree Practice からTeam 全体の雰囲気も良くまた車両、タイヤのパフォーマンスも良かったと思います。予選での二人のドライバーの走りは素晴らしく、決勝RACEを見据えたTYRE 選択をしていたにもかかわらずP5と好位置につけることができました。 決勝レース序盤でのアクシデントはとても残念なものでした。長いレースの序盤 15Lap目でアタックするにはリスクが大きすぎでした。今回は優勝するべくすべてが揃っていたと感じていましたがこの一瞬の隙間にこぼれ落ちてしまった感じです。監督としてレースをコントロールしきれなかった点は大いに反省です。しかし修復後のRACE Lap ペースは 優勝車両に匹敵、時にはそれを上回るコース上で一番早いLap を刻んでいました。車両もドライバーも勝てる準備は出来ています。今回のレースはしっかり反省しタイで今シーズン初優勝を飾れるようしっかり準備していきます。今後とも応援の程よろしくお願いいたします。