#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、苦しいレースを走り切る
開催日 2018年6月30日(土)~7月1(日) 場所 チャン・インターナショナル・サーキット[タイ]
レース名 Chang SUPER GT RACE 4.554km x 66 周、 参加台数:15 台 (GT500 クラス)
天候/気温 6 月30 日(予選日):晴れ(気温:29℃) 7 月 1 日(決勝日):晴れ(気温:32℃)
来場者数 6 月30 日(予選日):9,417 人 / 7月1 日(決勝日): 20,219 人 計29,636 人
【公式予選】
不運により、予選は15位に
SUPER GT唯一の海外戦となるタイラウンド。シーズンも中盤戦に入り、ライバル勢も重いハンディを背負ってきている。この中盤戦で、いかにライバル勢より1つでも多くのポイントを獲得できるかが重要になる。現在シリーズランキング2位の#23 MOTUL AUTECH GT-Rは、前戦鈴鹿同様に燃料リストリクター1ランクダウンというハンディに加え、45㎏のハンディウェイトを搭載しこの戦いに挑む。
予選日の午前中は南国らしい暑さの中で公式練習が行われ、#23 GT-Rは8番手とまずまずのタイムを記録。チームは予選に向けて準備を進めていったが、午後に入りサーキットはスコールに見舞われた。たちまちコースはウェットコンディションに変化。しかも雨はすぐにやみ再び青空が広がったことから、路面コンディションが徐々に回復していく中での予選となった。
Q1のアタックドライバーを務めたのは松田。セッション開始と同時にコースインし、コンディションを確認すると、全車の中でもいち早くピットイン。レインタイヤからスリックタイヤに履き替えて再びコースへと戻っていった。まだ路面に水が残っていたため、慎重にタイヤに熱を入れていきタイムアタックに入ったが、不運にも他車に詰まってしまい、思うようなアタックができずにセッション終了を迎えることに。#23 GT-Rは決勝レースを15位からスタートすることになった。
■NISMO鈴木豊監督のコメント
「コースインしたドライバーから、ドライタイヤで行った方が結果を残せるという情報が入ったので、すぐにタイヤを換えていきました。思いのほか発動するまでに時間がかかり、ようやく残り2周ぐらいでアタックできる状況になったのですが、他のマシンと交錯してしまい、実力を出し切れずにセッションを終えてしまいました。残念な予選になりましたが、ここからどうにか挽回しなければいけません。決勝に向けて戦略を練っていきたいと思います」
【決勝レース】
タイヤ無交換作戦を試みるも12位フィニッシュ
予選ではスコールが降り注ぎ路面状況が一変したチャン・インターナショナル・サーキットだが、決勝日は完全なドライコンディションでレースが行われた。
レースは現地時間の午後3時にスタート。#23 GT-Rは重いハンディを背負いながらも、スタートドライバーのクインタレッリが得意のスタートダッシュを決めて、2周目に1ポジションアップに成功。さらに、4周目に13位、15周目に12位と、じわじわとポイント圏内に迫っていった。
レースの折り返し地点を過ぎた34周目に#23 GT-Rはピットイン。松田にドライバー交代し給油を済ませると、タイヤを交換せずにピットを後にした。これでピット作業時間を大幅に短縮し、#23 GT-Rは暫定7位でコース復帰。全車がピット作業を済ませた時には6位にポジションを上げていた。後半スティントをフレッシュタイヤに履き替え追い上げてくる他車に対し、松田は懸命にブロックしていたが、想定よりもタイヤの消耗が早く、徐々にポジションを下げていくことに。それでも最後まで粘りの走りを見せ、12位でチェッカーを受けた。
2016年以来、久々のノーポイントとなってしまったが、シリーズランキングではトップと4ポイント差の3位を堅持。次戦、相性のいい富士戦での挽回を誓った。
■NISMO 鈴木豊監督のコメント
「予選結果が15位でしたから、タイヤ無交換という勝負に出ましたが、実際は厳しい結果に終わってしまいました。戦略ミスで、ドライバーには非常に悔しい思いをさせてしまいました。幸いにもというか、ランキング上位陣は皆あまり大きなポイントを獲らなかったので、順位も大きく変わることはありません。これからは大きなハンディを抱えたクルマはこういう苦しいレースが続き、シリーズは混戦になってくると思います。そんな中で、いかに1ポイントでも重ねていけるかが重要です。同じことを繰り返さないように準備をして次のレースに臨みたいと思います」
■松田次生のコメント
「タイでのレースも5年目になり、タイヤメーカーさんもデータや経験が増えてきた中で、タイヤ無交換は賭けでした。ロニーもなかなか順位を上げられない状況だったので、それを考えるとこの作戦で行かざるを得ない部分もあったと思います。今年は燃料リストリクターが本当によく効いていて、残り4戦もタフなレースが続くだろうと感じました。富士は第2戦で勝っているので、次の500マイルでも表彰台に上がれるぐらいのポテンシャルを見せたいと思います」
■ロニー・クインタレッリのコメント
「少しだけ追い上げることができましたが、今回は速さが足りませんでした。タイヤ無交換という作戦は、うまくいけば多くのポイントを獲れましたが、思ったよりも厳しかったです。久しぶりのノーポイントのレースですごく悔しいですが、得意の富士戦に向けて、今回うまく行かなかった部分を整理して、富士で再スタートを切りたいですね」