#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、
荒れたレースを戦い抜き7 位入賞
開催日 2017 年4 月8 日(土)~9(日) 場所 岡山国際サーキット(岡山県美作市)
レース名 OKAYAMA GT300km RACE 3.703km x 82 周、 参加台数:15 台 (GT500 クラス)
天候/気温 4 月8 日(予選日):曇りのち雨(気温:21℃) 9 日(決勝日):曇り時々晴れ(気温:19℃)
来場者数 4 月8 日(予選日):9,700 人 9 日(決勝日): 17,300 人 計27,000 人
【公式予選】
#23「MOTUL AUTECH GT-R」、不安定な天候の予選で14 位に
GT500クラスの車両規定が変わり、参戦する3メーカーが新型マシンを登場させた2017年のSUPER GT。日産勢も新型NISSAN GT-R NISMO GT500 でエントリー。NISMOは松田次生/ロニー・クインタレッリのコンビを継続。昨年、最終戦で逃した王座を再び手にするため、チーム一丸で戦う。
予選日の朝は曇天。ただ早朝まで降っていた雨がコース上に残っていて、午前9 時からの公式練習はウェットコンディションで始まった。水しぶきが上がるほどではないものの、各車ウェットタイヤで走行をスタート。#23 GT-R は時折タイミングモニターのトップに立つ場面も見せた。セッションが進むにつれ、コースコンディションは徐々に回復。チームは走行とピットインを重ね、予選に向けたセットアップを煮詰めていった。セッション最後に行われたGT500 クラスの占有走行では、それまでの自己ベストタイムを約0.4 秒縮めたが、順位は12 番手。厳しい予選になることが予想されたが、まずはQ2 進出をかけて、チームはサーキットサファリの時間も使って予選に向けた準備を進めていった。
1 日を通して気温の変化はほとんどなかったが、他のカテゴリーが走行したこともあって、予選が始まるまでにはコースはドライコンディションに回復。しかし、直前に雲行きが変わり、わずかに雨が落ちてきたこともあって、GT500 のQ1 はWET 宣言が出されてスタートした。Q2 突破を目指し、#23 GT-R を駆るのはクインタレッリ。アタックのタイミングを計り、セッション前半はピットで待機し、残り時間が8 分を切ったところでコースへと向かっていった。コースコンディションのチェックとタイヤのウォームアップを終え、いよいよアタック開始。まずは1 分21 秒979 をマークし12 番手につけると、連続のアタックで1 分19 秒386 に自己ベストタイムを縮め、11 番手にポジションを上げることに成功した。しかし終盤になってライバル勢も続々とタイム更新。#23 GT-R はじわじわと順位を下げることになり、最終的には14 位となった。
■ NISMO 鈴木豊監督のコメント
「自分たちの中では、開幕前のテストと比較して若干の進歩が確認できましたが、そのテストでついていた差を大きく埋めるほどではありませんでした。これが現時点での実力と考えるしかない。それでもシーズンは始まりましたし、あきらめるわけにはいきません。去年後半戦から抱えている課題の中で、今朝の公式練習ではウェットタイヤのパフォーマンス向上が確認できました。このように明るい材料も見つかったので、他の課題に関してもひとつひとつ解消し、早くトップ争いができるようにならなければと考えています。GT500/300合わせて4度の赤旗中断と、全体的に波乱の多い予選になりましたが、そういうときにこそ自分たちができることをしっかりとやって、まずは取りこぼしのないようにレースを戦っていきたいと思います」
【公式予選結果】
【決勝レース】
波乱の開幕戦で7 位入賞を果たす
予選日には不安定な天候に見舞われた岡山国際サーキットだが、決勝日のレースがスタートするころには晴れ間が拡がり、82 周/300km の決勝レースはドライコンディションで戦われた。予定通り、午後2 時34 分、岡山県警の白バイにリードされたパレードラップがスタート。ただし、このパレードラップにスタートできない車両や、また途中でストップする車両もあり、スタートはディレイ。一度ホームストレートで隊列を整え直した後、周回数を81 周へと1 周減らし、セーフティカー(SC)に先導されてのリスタートとなった。
14 番グリッドからレースを始めた#23 GT-R はクインタレッリがスタートドライバーを担当。上位陣の脱落により11番手でオープニングラップを終えたクインタレッリは、手堅いペースで周回を重ねて行った。4 周目にはGT300 クラスの車両がクラッシュするなど、レースは序盤から荒れ模様を見せる。この車両の回収のためにSC が再度コースイン。11周を終えたところで2度目のリスタートとなった。この頃にはポイント圏内に進出していたクインタレッリは、その後も着実な走行を続け上位陣の脱落に乗じてポジションアップしていった。
36 周を走り終えたところでクインタレッリはルーティーンのピットインを行い、松田に交代。「ここ3 年ほどは、全く心配したことがない」と監督に言わしめるほどピットワークに全幅の信頼をおかれるメカニックたちが、今回もまた完璧な仕事でピット作業のタイムロスを最小限に抑え、松田をコースに送り出した。
結果、数台のマシンをピットワークでかわし7 位にポジションアップすることに成功。後半スティントを担当した松田も、最後までノーミスの走りで受け継いだポジションをキープして7位でチェッカーを受けた。荒れた展開の中でチームの強みを最大限に生かし、開幕戦で4 ポイントを得ることに成功した。
■NISMO 鈴木豊監督のコメント
「ポイントが獲れたことは非常に大きいです。ドライバーをはじめ、チーム全員が与えられた環境の中で100 点の仕事をしてくれた結果だと思います。開幕戦を終えて、課題が非常に明確になったので、これからはその課題一つ一つにしっかりと取り組んでいきたいです。それとともに、荒れたレースの中でも自分たちの戦いを続けていくことがチャンピオン獲得につながると信じて、1 戦1 戦 質の高いレースをしていけるよう、大事に戦っていきたいと思います」
■松田次生のコメント
「ポイントを獲得できたことは良かったですが、上位6 台がレクサス、ホンダ勢にもほとんどの車両にトラブルが起きたということを考えると、改めて周りと比べた自分たちの実力を感じることができたように思います。でもこれがひとつバロメーターになって、何をしたらクルマが良くなるかというのをチームも開発陣営も分かったと思うし、シーズンはまだ長いので、この先のレースで上位に上がれるように頑張ります」
■ロニー・クインタレッリのコメント
「ポイントを獲りたかったので、7 位で4 ポイントが獲れたのはポジティブなことです。ピットインのタイミングですが、インラップで他のマシンに引っかからずに走れたので、メカニックの作業の速さと合わせてすごくいい形でピット作業ができて、何台か抜くことができました。チームの力でとれた7 位です。この結果を出せたことでみんなにも少し自信がついたと思うし、これからもクルマをレベルアップできるように頑張ります」
【レース結果】 82Laps